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それでも護衛と

かい合って座って

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かい合って座って

悠人びいきだよね」
 大地は軽く肩をすくめてそう言い、両手を腰にあてた。
「いえ、決してそのようなことは」
「別に構わないよ、悠人ならね」
 櫻井の顔はこころなしか硬くなっているようだった。実際に悠人をひいきしているかどうかはわからないが、仕えている家の息子にそう思われるのはやはりまずいのだろう。構わない、というのが大地の本心とは限らないのだから。
「大地、あの……」
「そろそろ宿題やらないとな」
 櫻井を庇おうとした悠人を遮るように、大地は話題を変えた。
「宿題、何があったっけ?」
「……数学と英語」
「けっこう面倒なやつだな」
 そうつぶやくと、悠人の手首を掴んで大股で歩き出す。
 やはり櫻井の発言に腹を立てているのだろうか。それとも悠人の態度が気に入らないのだろうか。悠人は乱暴に手を引かれてよろめきながらも、櫻井に振り返って頭を下げる。彼はその場に立ちつくしたまま曖昧な笑みを浮かべていた。

 中庭から戻ると、訓練用のジャージから制服に着替えて宿題を始めた。大地の部屋には一人分の机しかないこともあり、いつも中庭の見える広い部屋で行っている。そして、いつも何かしらおやつが用意されている。今日は紅茶とロールケーキだ。
 四人掛けのテーブルセットに向いるものの、互いに黙々と進めるだけである。今のところ宿題でつまずいたことは皆無なので教え合うこともなく、一緒にやる意味があるのかどうかわからない。
 それでも、悠人は嬉しかった。
 大地にまとわりつかれて最初は煩わしいだけだったが、次第にいることが当たり前になり、いないと寂しいとさえ思うようになっていた。からかわれて腹の立つことも多いのに、それでも一緒にいたいと思うのはなぜだろう——。
「どうした?」
「……別に」
 大地は視線を感じたのか顔を上げて不思議そうに尋ねてきた。悠人はとっさにプリントに目を落としてそっけなく答えると、シャープペンシルを走らせる。その文字がいつもより乱れていることに気付き、ふいにギュッと胸が締め付けられるのを感じた。

 ——七月中旬。
 陽射しが日に日に強くなり、半袖シャツでも汗がにじむようになっていた。夏休みまであと数日だ。
 中間考査、期末考査はどちらも大地に勝てなかった。順位は変わらずいつも大地のひとつ下である。格闘術の方も互角に渡り合
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